柑橘類の文化誌  人と歴史との関わり

更新日:2010/09/30

柑橘類(シトラス)の文化誌

歴史と人との関わり

ピエール・ラスロー 著

寺町 朋子 訳

2010年9月 発行

定価 1,600円

新 : ISBN 978-4-907600-15-0
旧 : ISBN 978-4-903532-60-8

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・  序文,目次

概要

ミカンやレモン,オレンジ,ライム等の柑橘類は中国で初めて栽培され,長い旅を経てヨーロッパ,南北アメリカに伝わった.日本人にも食品や飲料,香料として親しまれ,品種改良が進んでいる.本書は,柑橘類が世界に広がっていった歴史を中心として,オレンジをはじめとする柑橘類の魅力をさまざまな角度から紹介している.柑橘類に含まれている成分に関する科学的な話題(ビタミンや糖類,香りや色を決める物質,果皮に含まれる精油,調理の際に見られる化学反応など)や,柑橘類が貴重だった中世の人々にとってそれはどのような意味合いを持っていたのか,冷害や干ばつへの対応,品種改良,需要の拡大,柑橘類と絵画や文学,行事との文化的な関係,などのさまざまな話題が幅広く取り上げられている.そして,そのなかに著者自身の柑橘類にかかわるエピソードや柑橘類を使ったレシピが盛りこまれている.単なる解説書とは異なり,料理好きな方も含めて柑橘類を丸ごと楽しめる内容となっている.

目次

謝辞

日本の皆さんへのメッセージ

プロローグ:先輩作家への手紙

第Ⅰ部 外来種の栽培

第1章 はじめに――柑橘類の定義を含めて

第2章 ヨーロッパへの移植

第3章 新世界への順応

第4章 柑橘栽培の育成

第Ⅱ部 柑橘類から価値を発掘7

第5章 夢のカリフォルニア

第6章 酸っぱいレモンから甘いレモネードを作ろう

第7章 オレンジを飲む

第8章 果皮からエッセンスを抽出

第Ⅲ部 象徴的な抽出

第9章 柑橘類の象徴的意味

第10章 散文における柑橘類のイメージ

第11章 詩における柑橘類のイメージ

第12章 イメージとしての果実

第13章 本来の性質の保存か変換か?

第14章 希少品にする?

エピローグ:先輩作家からの返事

訳者あとがき

原注

索引

著者紹介

ピエール・ラスロー(Pierre Laszlo)

有機化学者.リエージュ大学,及びエコール・ポリテクニークの化学教授を務める.多数の著書があり,一般書の代表的なものとして「Salt: Grain of Life」[邦訳:『塩
の博物誌』(神田 順子 訳,東京書籍,2005)]がある.
専門書では次の2 冊が邦訳されている.
Logique de la synthese organique[邦訳:『有機合成のロジック』(尾中 篤・正田晋一郎 訳,化学同人,1994)]
Resonances de la synthese organique[邦訳:『有機合成のレゾナンス』(尾中篤・正田 晋一郎 訳,化学同人,1999)]

訳者紹介

寺町朋子(てらまち ともこ)

京都大学薬学部卒業.企業で医薬品の研究開発に携わり,科学書出版社勤務を経て,現在,翻訳業.訳書は,マルコム・ジェイソン『腰痛』,マイク・レイカー『コレステロール』,ルーディ・W・ビロウス『糖尿病』,ジョン・クレランド『心不全』(以上,一灯舎「わが家のお医者さん」シリーズ),バニー・クラムパッカー『数のはなし』(東洋書林,共訳)など.


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