更新日:2009/11/30
・ 前付け、序文
本書は地球規模での人間の安全性についてまとめたもので、1946 年以降に起きた軍事的な対立について豊富な情報を多数の地図や図表を用いて、一目でわかりやすく提供しています。これらの地図や図表によって、いかに政治的暴力がおこなわれ、それらが貧困と紛争に繋がり、ひいては子供の兵士への利用を含む人権の侵害、そして戦争の原因などとなったかが明示されます。
世界では冷戦終結後、非常に大きな変化がありました。しかしイラクにおける暴力の激化やダルフールでの戦争の拡大を除けば、世界的には軍事的な争いは減少しつつあります。戦争による死者や大量虐殺、それにともなう難民の数も減りつつあります。このような変化の多くは、国連が先頭に立って行った国際的な平和と安全のための活動によるものです。この活動では、継続する戦争の終結、平和維持に向けた交渉の援助、戦後の復興支援、過去の戦争の再発防止などを行ってきたのです。
本書の目的はこのような世界的な、また歴史的な情報の詳細を理解しやすい形で示すことであり、今の世界で最も緊急を要する人間の安全性の問題を表示しています。巻末には、国別の統計資料、用語集も掲載しています。NGO やその支援団体の活動、学校教育では世界の政治・社会問題に関心のある学生やその他、日頃、新聞やテレビでのニュースで聞く問題に対する理解を深めるために一般社会人にとっても非常に役立つ本です。