まちがいだらけのサーベイ調査
更新日:2006/09/30
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・ 序
・ 目次
概要
本書は、数多くの地域・途上国で投資環境調査を統括してきたイアロシ氏が、自らの経験の照らして見過ごしやすい「落とし穴」を解説し、併せて他のサーベイ経験者が指摘する教訓も紹介するなど、きわめて実践的な内容になっている。本書を読むと、信頼性ある、質の高いサーベイ調査を実施するためには、調査の設計、実施チームの選定、サンプル抽出、質問票の作成、面談調査員の研修、データチェックにいたる全ての段階において、いかに細心の配慮が必要であるかに改めて気づかされる。本書はサーベイデータを作成し調査を実施するための「ノウハウ本」であり、何らかの目的のために統計データを使う者にとっての「ガイドブック」でもある。
目次
第1章 サーベイ調査の実施を検証する
第2章 サーベイ調査の管理:概観
2.1 全体的なプログラムデザイン
2.2 質問票の設計、試行調査、データ入力フォーム
2.3 データ入力
2.4 サーベイ調査企業の選定
2.5 サンプル
2.6 研修
2.7 現地作業とデータの品質管理
第3章 誤った質問をするのが如何に易しいか
3.1 質問票の設計の為の実践的ガイドライン
3.2 質問の言葉遣い
3.3 質問の方法
3.4 質問の形式
3.5 質問の順番
3.6 質問票の長さ
3.7 質問票のレイアウト
3.8 翻訳
3.9 事前試行
第4章 サンプリングへの実践的アプローチ
4.1 単純無作為抽出法における標本規模の決定
4.2 層化抽出法による標本規模の決定
4.3 系統抽出の進め方
4.4 確率比例抽出法の進め方
4.5 調査台帳に関する問題への対処法
4.6 吸収合併や分割のサンプリング加重へのインパクト
4.7 加重調整と層化後の処理
第5章 回答者の心理と面談調査への参加
5.1 調査への参加を左右する要因
5.2 研修における実践上のヒント
5.3 調査への参加を確実にする
5.4 面談調査を実施する
第6章 データ管理はなぜ重要か
6.1 コード化
6.2 編集
6.3 データの電子入力
6.4 クリーニング
原著者紹介
ジュセッペ・イアロッシ(Giuseppe Iarossi)
世界銀行調査局投資・成長グループ、及びアフリカ民間セクター開発グループ所属のシ
ニアエコノミスト。世界銀行には1994 年に入行し、1997 年からは投資環境ユニット
の中核メンバーとして、アフリカ、ラテンアメリカ、南アジア、東アジアの各地域にお
いて、企業サーベイ調査の管理に従事してきた。専門は、サーベイ調査手法の開発、投
資環境の企業業績への影響分析等である。メリーランド大学より経済学修士号、ジョン
ホプキンス大学から国際関係論の修士号、シエナ大学よりMBA、ナポリ大学よりCPA
を取得。ジョンホプキンス大学で非常勤講師を勤め、サーベイ調査手法を教授してい
る。イタリアナポリ生まれ。
訳者紹介
三井 久明
財団法人国際開発センターのシニアエコノミスト。
政府開発援助(ODA)のコンサルタントとして、1990年から東アジア、東欧、中東、アフリカ諸国において各種の開発援助事業・調査に従事してきた。
ベトナム、カザフスタン、ポーランドでは数回にわたり企業サーベイ調査を実施し、市場経済化の進捗や投資環境の実態について調査した。2005年には世界銀行のコンサルタントとして著者のもとでベトナムの投資環境サーベイ調査を実施する。
早稲田大学より経済学修士号、イギリスサセックス大学より国際学修士号を取得。明治学院大学国際学部で非常勤講師を務め開発経済学を担当している。