世界の雇用及び社会の見通し 動向編 2024

更新日:2024/07/12

世界の雇用及び社会の見通し

動向編 2024

ILO(国際労働機関) 著

田村 勝省 訳

2024年7月 発行

定価 4,500円+税

ISBN:978-4-907600-83-9

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・  序文、目次、エグゼクティブ・サマリー

概要

経済成長が減速している状況下、グローバルな労働市場は2023年に回復力を示した。世界全体での失業はパンデミックが発生して以降では最も低い水準にまで低下し、労働力参加はほとんどの地域で回復した。注目される指標におけるこのような改善にもかかわらず、労働条件には脆弱性が現れてきており、エネルギーや食料の価格の急速な上昇からは生活費危機が発生している。2024年には、世界全体の失業は概して不変にとどまるだろうが、雇用の増加は弱まると予測されている。ほとんどがパンデミック以前から存在している重大なディーセント・ワーク不足――特に、参加率にみられるジェンダー間の差異、就労貧困、およびインフォーマル性――は、このような条件下で持続するだろう。

本年の『世界の雇用及び社会の見通し:動向編』は、労働の不均衡に関する包括的な評価を提示している。この不均衡は、パンデミックからの回復に伴って発生しており、執拗に持続しているディーセント・ワーク不足と併存している。本報告書では、グローバルな傾向、地域別の相違、労働者のさまざまなグループ毎の結果を分析している。本報告書は、2024年と25年についての労働市場予測も提示している。最後に、本報告書は、労働力参加、労働時間、および雇用増加におけるトレンドを示し、これらが労働市場の不均衡の一因になっている状況を分析している。

目次

序 文

謝 辞

エグゼクティブ・サマリー:脆弱性が高まりつつある中での雇用の回復

1. 労働市場の回復力は近い将来において試されることになるだろう

脆弱性が高まる中で成長には回復力があることが示されてきている

2023 年には経済面での強靭性が労働市場の状況を一定に維持した

今後を展望すると,雇用創出がさらに悪化するリスクがある

ディーセント・ワークの不足が持続していることが長期にわたる進展の土台を崩している

参考文献

2. 地域別の雇用および社会の動向

概観

アフリカ

北アフリカの労働市場動向

サハラ以南アフリカの労働市場動向

アフリカにおける証拠に基づく労働移住統治に向けたデータの挑戦課題

南北アメリカ

ラテンアメリカ・カリブの労働市場動向

ラテンアメリカ・カリブでは労働生産性の伸びが停滞している

北アメリカの労働市場動向

アラブ諸国

アラブ諸国の労働市場動向

強制避難が労働市場に対して持つ意味

アジア・太平洋

アジア・太平洋地域における労働市場動向

アジア・太平洋地域におけるインフォーマル性と新しい形態の仕事

ヨーロッパ,および中央アジア

ヨーロッパ,および中央アジアの労働市場動向

ヨーロッパにおける若年失業の複雑な様相

参考文献

3. ディーセント・ワークに対する要求が満たされていない中での労働不足

概観

労働に対する需要の増加

労働需要:先進国における求人の未充足

労働やスキルの不足がもたらす国内的および国際的な影響

労働の供給

労働力参加:就業者あるいは求職者は減少しているのか?

労働時間:平均時間と総時間の乖離

労働市場の調整は生じていないのだろうか?

労働不足は定着するかもしれない

結論:行動の優先順位

参考文献

補遺

補遺A. 地域および所得水準で分類した国と領域のグループ 

補遺B. ILO のモデルによる推定

補遺C. 労働市場指標に関する地域のグループ別の表

著者紹介

国際労働機関(ILO:International Labor Organization)

ILOは1919年に,ベルサイユ条約によって国際連盟と共に誕生した.第1次世界大戦後の社会改革に対して高まる懸念,そしてあらゆる改革は国際的なレベルで進められるべきだという確信を体現するものとして設立された.
第2次世界大戦後,フィラデルフィア宣言によってILOの基本目標と基本原則が拡大され,力強く再確認された.宣言は戦後における独立国家数の増大を予見し,大規模な対途上国技術協力活動の開始を明言した.1946年,ILOは新たに設立された国際連合と協定を結んだ最初の専門機関となり,創立50周年にあたる1969年にはノーベル平和賞を受賞した.

訳者紹介

田村 勝省(たむら かつよし)

東京外国語大学および東京都立大学卒業.

旧東京銀行および関東学園大学教授を経て翻訳家.


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