退職後の資産運用 超高齢化時代のリタイアメント・マネジメント入門

更新日:2014/01/28

退職後の資産運用

超高齢化時代のリタイアメント・マネジメント入門

加藤康之 著

2014年2月 発行予定

定価 1,500円+税

ISBN 978-4-907600-06-8

サンプルページ(PDF)

・  序文,目次

概要

リタイアメント・マネジメントとは,退職後の人生(リタイアメント・ステージ)を豊かに過ごすための資産運用の考え方である.現役時代の資産形成を想定
しているこれまでの資産運用とは一線を画す考え方と言える.リタイアメント・ステージは現役時代と大きく異なり,蓄積した資産が減って行く.

日本では今後インフレになることが予想される一方で,年金でもらえる金額が下がるのではないかという不安もある.そのため,自らの生活は自らの資産運用によって守らなければならない.

適切な資産運用を行うことは自分のためだけでなく,日本経済にも貢献することができる.リスク資産に対する適切な投資は日本経済を活性化させ,若者の雇用創出につながる.退職した後でも適切な資産運用を通して日本経済に大きな貢献ができるということだ.しかも,日本では2014年からNISA(ニーサ:日本版ISA)と呼ばれる少額投資非課税制度がスタートする.これまで資産運用に縁遠かった人にとっても資産運用を開始する絶好のタイミングである.

本書は,これから退職を迎える人,ちょうど退職を迎えようとしている人,すでに退職している人,そして,まだ若いが将来に備えたいと考えている人のためのリタイアメント・マネジメントに関する入門書である.リタイアメント・ステージにおける資産運用の考え方や具体的な方法論について,最新の統計と多くの図表を用いて分かりやすく解説している.

目次

はじめに 豊かなリタイアメント・ステージを送るために

第1章 リタイアメントとお金

(1)退職後の生活コストと1億円の衝撃

(2)必要な自己資金と課題

第2章 リタイアメント・ステージで直面する3つのリスクと資産運用

(1)リスク1:年金制度のリスク

(2)リスク2:インフレのリスク

(3)リスク3:長寿のリスク

(4)リスクヘッジとしての資産運用と資産運用のリスク

第3章 リタイアメント・ステージにおける資産運用のキーポイント

(1)「山下り」の資産運用とリスクの取り方

(2)インカムリターンの重要性

(3)インフレと資産価値の保全

(4)リスク資産による成長投資

(5)運用コストの影響と低減

第4章 資産運用とリスク管理

(1)資産価格に影響を与える要因(リスク管理の基礎)

(2)タイミングリスクと時間分散

(3)テールリスクと分散投資

(4)継続的なリスク管理とリバランス

第5章 リタイアメント・ポートフォリオの作り方

(1)機能ポートフォリオのポートフォリオ

(2)ETFと投資ポートフォリオ

(3)2つの投資サブポートフォリオ

(4)投資家の特性と資産配分

(5)自分に適した資産配分の構築

第6章 資産の引出しと資産枯渇リスク

(1)引出し率

(2)引出し率と資産枯渇リスクの評価

(3)資産運用パフォーマンスと引出し率

第7章 終の戦略

(1)リバース・モーゲージ

(2)終身年金保険(アニュイティ)

第8章 非合理的な意思決定をしないために

(1)人間心理の非合理性

(2)投資行動に表れる人間心理

(3)非合理的な意思決定を下さないために

あとがき ――資産運用大国への道――

役に立つ情報源

参考文献

索 引

著者紹介

加藤 康之(かとう やすゆき)

京都大学大学院経営管理研究部教授.1980年東京工業大学修士卒業後,(株)野村総合研究所入社,シカゴ,ニューヨーク,ロンドン勤務の後,システムサイエンス部長.1997年に野村證券(株)へ転籍,金融工学研究センター長等を経て,2005年に執行役.2011年から現職.他に東京大学大学院数理科学研究科非常勤講師,日本証券アナリスト協会教育委員会委員,東京証券取引所アドバイザー,FTSEアドバイザー,全国市町村職員共済組合連合会資産運用委員会委員,(株)お金のデザインアドバイザー等.専門は投資理論,金融工学.著書に「金融工学辞典」,「資産運用入門」(東洋経済),「株式投資の科学」(角川書店)等.


タグ: