世界の雇用及び社会の見通し 動向編 2020

更新日:2020/12/13

世界の雇用及び社会の見通し

動向編 2020

ILO(国際労働機関) 著

田村 勝省 訳

2020年12月 発行

定価 5,000円+税

ISBN:978-4-907600-69-3

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・  序文、目次、エグゼクティブサマリー

概要

 『世界の雇用及び社会の見通し 2020 動向編』は雇用形態,非公式雇用,および就労貧困などといった仕事の質にかかわるさまざまな側面に加えて,労働力参加率,雇用,失業と他の形態の未活用労働,そして生産性などにおける最近の動向について,グローバルな概観を提示している.この分析は世界全体の189カ国から得られたデータに基づいている.レポートでは農村部と都市部の間の不平等の検討,および社会不安に関する指標の提示も行っている.さらに,重要な労働市場指標に関しては2020 – 24年の期間に関する予測も示している.

 本書の第1章では,国の所得水準別のトレンドを分析し,第2章では地域別のトレンドに焦点を合わせている.ILOの新しい種類のデータに基づいて,第3章は労働分配率と労働所得分布の動向の分析に充てられている.

 本レポートは,仕事へのアクセスには重大な格差が存在していることを例示している.というのは,総合的な未活用労働の推定値は際立っており,そして失業の程度をはるかに超えているからだ.加えて,レポートは,雇用関係の質は有給職に就いている人々の多くにとって不十分であることを示している.最後に,地域による格差や,性・年齢別の不平等に注目することで,本レポートは,労働市場が非常に不平等な状態にあることを見出している.全体として,ディーセント・ワークへのアクセスにおける不平等は,大きくかつ執拗な所得不平等と解釈され,またこのことには,労働所得における不平等は従来考えられていたよりも,より一層著しいという状況も伴っている.

目次

序文

謝辞

エグゼクティブサマリー

01 グローバルな雇用及び社会の動向

グローバルな労働市場の概要

労働市場の動向に関する経済状況

雇用へのアクセスと未活用労働

有給職,およびディーセント・ワークの問題

結論

02 地域別にみた雇用及び社会の動向

アフリカ

南北アメリカ

アラブ諸国

アジア・太平洋

ヨーロッパ・中央アジア

03 労働所得を使って不平等を評価する

ILOの調和ミクロデータ集を使った労働分配率と労働所得分布の推定値

労働分配率の動向

労働所得分布のグローバルおよび地域別のパターン

低所得国の所得不平等をわれわれは過小評価しているか?

結論

補遺

補遺A. 地域・所得水準別にみた国グループ

補遺B. ILO のモデルによる推定

補遺C. 製造業部門における雇用の詳細な分解の推定

補遺D. 所得別国グループ/ 下位地域ごとにみた世界の労働市場指標の表

参考文献

著者紹介

国際労働機関(ILO:International Labor Organization)

ILOは1919年に,ベルサイユ条約によって国際連盟と共に誕生した.第1次世界大戦後の社会改革に対して高まる懸念,そしてあらゆる改革は国際的なレベルで進められるべきだという確信を体現するものとして設立された.

第2次世界大戦後,フィラデルフィア宣言によってILOの基本目標と基本原則が拡大され,力強く再確認された.宣言は戦後における独立国家数の増大を予見し,大規模な対途上国技術協力活動の開始を明言した.1946年,ILOは新たに設立された国際連合と協定を結んだ最初の専門機関となり,創立50周年にあたる1969年にはノーベル平和賞を受賞した.

訳者紹介

田村 勝省(たむら かつよし)

東京外国語大学および東京都立大学卒業.
旧東京銀行および関東学園大学教授を経て翻訳家.


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