学び直し ケインズ経済学
更新日:2015/05/21
サンプルページ(PDF)
・ 序文,目次
概要
本書は,簡単なグラフのみを用いて,現実の経済を理解する上で基本となる部分を分かりやすく解説しているケインズ経済学の入門書です.ケインズ経済学を2008 年の金融危機やユーロ圏の不均衡など現在の経済問題に応用することに重点が置かれており,このことが本書の特徴となっています.
著者は,18 世紀の経済思想の解説から始め,その後,ケインズ自身の思考の発展に沿って議論が展開されます.また「訳者解説」では,通常の経済学で用いられる数式による表現,およびアベノミクスについての解説も述べられています.読者は,現在われわれが直面している政策選択を理解する上で,簡単なケインズ・モデルがいかに有益であるかを知ることができます.これから経済学を学ぶ人にとっても既にケインズ経済学を学んだ人にとっても有益な一冊となっています.
目次
序文
第一章 ケインズ以前の経済学 その一 ――デイヴィッド・ヒューム
第二章 ヴェルサイユにおけるケインズ
第三章 ケインズとマクミラン委員会
第四章 ケインズ以前の経済学 その二――マーシャル
第五章 一般理論
第六章 IS – LM曲線
第七章 流動性のわな
第八章 ブレトンウッズとスワン・ダイアグラム
第九章 ケインズの時代:危機と反動
第十章 国際間の倹約のパラドックス
訳者解説――アベノミクスと「ケインズ・モデル」
参考文献
用語集
索引
著者紹介
ピーター・テミン(Peter Temin)
米マサチューセッツ工科大学名誉教授.専門は経済史.
著書に,”The World Economy Between the World Wars” (2008) ; Prometheus Shackled: Goldsmith Banks and England’s Financial Revolution after 1700 (2013) ; The Roman Market Economy (2013) などがある.
デイヴィッド・ヴァインズ(David Vines)
英オックスフォード大学教授.
専門はマクロ経済学と経済政策,国際マクロ経済学,国際金融問題など.ピーター・テミンとの共著”The Leaderless Society : Why the World Economic System Fell Apart and How to Fix It” (2013)[邦訳『リーダーなき経済――世界を危機から救うための方策』(2014)]がある. 編著書に”The Asian Financial Crisis: Causes, Contagion and Consequences” (2006) などがある.
訳者紹介
小谷野 俊夫(こやの としお)
静岡県立大学名誉教授.
1969 年早稲田大学政治経済学部卒.1975 年ペンシルベニア大学ウォートンスクール修了(MBA).第一勧銀調査部ニューヨーク駐在シニア・エコノミスト,DKB総研経済調査部長を経て静岡県立大学教授.
翻訳書に『マクミラン経済学者列伝 ケインズ』(2014),『マクミラン経済学者列伝 アダム・スミス』(2014),『連邦準備制度と金融危機』(2012)いずれも一灯舎,共訳書に『ケインズ全集 第21 巻: 世界恐慌と英米における諸政策――1931 ~ 39 年の諸活動』(2015),『欧州中央銀行の金融政策』(2002),『アメリカの金融政策と金融市場』(2000)いずれも東洋経済新報社がある.